1. 日本は、2017年にグリホサートの残留基準値を大幅に緩和(5ppmから30ppm)した。
  2. 国は残留農薬検査を行っている。輸入小麦の残留農薬検査結果も報告されている。
    輸入米麦の残留農薬等の分析結果 平成30年度前期(PDF : 357KB)
    輸入米麦の残留農薬等の分析結果 平成29年度後期(PDF : 489KB)
  3. そのほとんどの小麦からグリホサートが検出されている。

    ◎アメリカ
     グリホサート:64/66(69/69) クロピラリド:42/66
    ◎カナダ
     グリホサート:37/37(42/42) クロピラリド:27/37
    ◎オーストラリア
     グリホサート:8/18(4/23) クロピラリド:3/9

    ※残留が確認された検体数/調査した検体数()内はH29後期 クラビラリドは除草剤
    ※オーストラリア産小麦は残留数がやや少ないが、おもに麺用に適した小麦として利用。
  4. 国が検査をしたうえ輸入した小麦は、各製粉業者へ販売されている。
    大手は・・・日清製粉株式会社 日本製粉株式会社 昭和産業株式会社 株式会社J−オイルミルズ
    非上場では・・・共栄フード株式会社 日東富士製粉 富士パン粉工業株式会社 奥本製粉株式会社などがある
  5. なので大小関わらず国内に流通している輸入小麦はグリホサートが残留している。

食パンにグリホサートが残留する理由

  1. 小麦は洗ってから製粉するものではない。
  2. 市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(代表 天笠啓祐氏)は、2018年10月に小麦粉のグリホサート残留検査を行った(分析:農民連食品分析センター)。
  3. その結果、検出された小麦粉は、輸入小麦を使用した全粒粉と強力粉。
    日清全粒粉パン用      日清フーズ  1.10ppm
    強力小麦粉         日本製粉   0.37ppm
    日清カメリア強力小麦粉   日清フーズ  0.09ppm
    ※全粒粉は皮付なのでグリホサートほか農薬の残留が高い。全粒粉は健康によいはずが。
  4. アメリカの市民団体がスナック菓子の残留検査をしたところグリホサートが検出。加熱しても分解されないことがわかった。
  5. 農民連食品分析センターさんにより、市販の食パンのグリホサートを検査。輸入小麦品のほとんどから残留していることがわかった。
    pasco 麦のめぐみ 全粒粉入り食パン 0.15ppm
    山崎製パン ダブルソフト全粒粉 0.18ppm
    ヤマザキダブルソフト 0.10ppm
    Pasco超熟 0.07ppm
    フジパン アンパンマンのミニスナック 0.05ppm
    パスタからも検出(パスタオーマイ1.7mm 0.07ppm  全粒粉100%で焼けるパン用粉は、1.05ppm)


    食パンといえば・・・
    山崎製パン株式会社 ふんわり食パン ロイヤルブレッド ダブルソフト 超芳醇など
    敷島製パン株式会社 PASCO 超熟シリーズ(国産小麦使用のパンもある「超熟 国産小麦」)
  6. 問題なのは、どこの輸入業者のものがよい、どこのメーカーがよい、という問題ではなく、輸入小麦の強力粉を使用している日本中の食品が問題であるということ。

グリホサートが残留しているけど、どうなの?

  1. ただし、輸入された小麦は残留農薬基準値以内なので、食べても健康に問題ありません。根拠は国の基準値です。国が安全性を証明していることになります。
  2. とはいえ、「除草剤入りのパン」だとわかったら食べたくないし、食べさせたくない。
  3. たとえば、この食品は放射能が含まれていますが、国の基準値以内なので安心してお召し上がりくださいと云われたらどんな気持ちになりますか。



    安全であるというのはその時点の科学
  4. 海外では多くのメディアでグリホサートと小麦アレルギーのセリアック病の関係を指摘。グリホサートの使用量と比例してグルテンアレルギーのセリアック病が増えているという。
  5. そんなことでは困るので(子供の学校給食などは選べないし、セリアック病になったら小麦が食べられなくなる)
  6. もうひとつ、ネオニコチノイド系の農薬のように、あとから微量でも危険な物質でした、胎児への影響があったと報告されても困るので、妊娠前(妊娠中)のあなたは、気を付けたい食べ物に「食パン」を加えたほうがよい。
  7. 実際に、、、「ラウンドアップが生分解性で土壌に蓄積されません」「安全で人や環境への有害な影響を引き起こすことはありません」といった一連の安全性に関する広告が、虚偽かつ誤解を招く広告と判決(アメリカ、フランス)




グリホサート問題どうしたらいいの?

  1. 心配な人は、食べる回数を減らしたり、少しも入れたくないのなら、輸入小麦製品を食べないか、国産小麦、オーガニック小麦を使用したものを食べるだけ。簡単に解決できます。でも個人だけの問題解決。
  2. そもそも、私の食べている食パンからグリホサートが検出されるの?という方は、購入した食パンにグリホサートが基準値以内でもどのくらい残留しているのか、メーカーに問い合わせてみてください。この声も大切。教えてくれないのなら、その程度のメーカーということ。
  3. 国が安全性を認めていても「遺伝子組換え作物不使用」と表示するようになったように、グリホサートフリー小麦などの規格が流通されるように声を高める。海外では排除運動が進んでいる。
  4. パンを作られている製造業者の方なら、出来上がり製品を実際に分析を依頼してみるのも一つ。今後の方針にお役立てください。

    せっかくですので、一緒に残留農薬も検査してもらい実態を知っておくべき。つぎの検査機関では、グリホサートの分析を行っています。
    一般社団法人農民連食品分析センター
  5. 食糧の生産現場で除草剤グリホサートは使わない。
  6. 家庭用の除草剤(ラウンドアップ)も販売されているが、使用しない。
  7. このようなグリホサート問題を取り上げ、情報発信をしてくれている、遺伝子組み換え要らないキャンペーン日本消費者連盟食品と暮らしの安全農民連食品分析センターさんなどの活動を応援したい。

    子供たちの学校給食などへの使用を反対する活動は参加人数が多ければ多いほど実現の可能性が高まります。

    例)製粉メーカー宛に要望書提出
    私たち遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの調査で市販の小麦粉から除草剤グリホサートの成分が検出されたことを受け、日本消費者連盟と連名で、当該の小麦粉の販売会社にグリホサートが残留した小麦を使わないよう求める要請書を出しました。
  8. 名称や成分が変わっても同様のことが起こってきた。以降も気にしておくべき問題。


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