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▼牛乳やヨーグルトが普及しているこの現代においても日本人の多くはカルシウム不足と云われています。日本人の成人1日あたりのカルシウム推奨量は、600mg~800mg(50代男性600mg、女性650mg)。これに対して実際の摂取量は500㎎程度。
▼毎日100㎎以上も不足が続く日々を重ねることになります。50代になると自覚症状なく訪れる骨粗鬆症などが判明したりするのです。以下のようなわかりやすい説明もあります。
特に女性は50歳前後に閉経を迎えると、卵胞ホルモンの分泌が急速に低下するため、カルシウム不足が目立つようになります。卵胞ホルモンは、腸管でのカルシウム吸収に役立つようビタミンDの形を変えたり、骨を形成する骨芽(こつが)細胞を助けたりする働きをしています。また、骨を破壊(溶かして吸収する)する破骨(はこつ)細胞や、その働きを支えるホルモンを抑える作用をします。この卵胞ホルモンの量が、閉経期を境にそれまでの10分1以下に激減することで、50代を過ぎると全骨量に対して年間3パーセント近いペースで骨量の減少が進むのです。加齢による様々な身体の変化が骨にも大きな影響を与えています。(メグミルクホームページより)
ここ一週間でどのくらいカルシウムが摂取できている?
以下のカルシウム量から、今週は何を食べていたのか、自分の食生活を振り返って確認してみてはいかがでしょうか?
<食品中のカルシウムの量>
牛乳 コップ1杯(200g) 220mg
ヨーグルト(100g)120mg
プロセスチーズ2切れ(40g) 256mg
煮干し(10g)220mg
ししゃも2尾(50g)165mg
うなぎ蒲焼1串(100g)150mg
いわし丸干し1尾(30g)132g
さば水煮缶(50g)130㎎
小松菜 1/4束(70g) 119mg
モロヘイヤ1/2束(50g)130mg
大根の葉(30g)78mg
ひじきの煮物 1食分(10g) 140mg
木綿豆腐 約1/2丁(150g) 180mg
切り干し大根の煮物 1食分(15g) 81mg
納豆 1パック(50g) 45mg
豆腐とわかめの味噌汁1杯 66.8mg
※和食でもカルシウムが不足を感じたら食後に牛乳やヨーグルトやチーズなどで補うといいかもしれません。牛乳やヨーグルトは冷たいままゴクゴク飲むと内臓が冷えて消化吸収に悪影響がありますので、口のなかであたためから喉に通して。
たんぱく質やカルシウムなどは、動物性と植物性を一緒に摂ることがよいと云われています。偏りなく、さまざまな食品から摂取することが必要です。そう考えると、植物性のたんぱく質が多い和食のほうがすぐれているように思います。
カルシウムはバランスのよい食事(栄養)で補う
カルシウム不足には、カルシウムだけを取るのではなく、バランスのよい食事が必要です。いわゆるバランスのよい食事に調和しつつ、強力な助っ人となるのは「煮干し」ではないでしょうか。
煮干しには、カルシウムだけでなく、不足しがちな栄養がいっぱい詰まっています。また、乳製品が苦手な方でもカルシウムが摂取できる食材といえば煮干しです。
煮干し(いりこ)はびっくりするほど栄養豊富
煮干しには、カルシウムの吸収に必要なマグネシウムやビタミンDも含まれていて、さらには 超健康成分でもある、EPAやDHA、タウリン、リン、生体内必須微量元素である、鉄、亜鉛、銅なども含まれています。
煮干しを食べれば体は喜び、「なんとなく調子が悪い」から「なんとなく調子がよい」へと一物全体の意味を知ることになるはずです。なにしろカルシウム不足を毎日続けていたのですから。
それぞれの成分の効能を調べてみました。
★カルシウム:骨や歯を作る。血液凝固を防ぐ、イライラ防止、ストレス緩和
★DHA:脳や神経組織の機能を高める・認知症、血流改善、視力回復、アレルギーを予防、精神安定。
★EPA:血栓が作られにくい・血液をサラサラ、生活習慣病予防・改善。
★ビタミンD:カルシウムとリンの吸収促進・血液中のカルシウムの量を一定にする。カルシウムを骨に沈着させる。糖尿病予防・免疫力UP、インフルエンザの予防。
★鉄分:貧血、立ちくらみ防止、疲労回復
★マグネシウム:骨芽細胞に作用して、骨の中に入るカルシウムの量を調節。マグネシウムが不足すると骨や歯の貯蔵分からカルシウムが放出されてしまい骨粗鬆症の原因にも。
★イワシペプチド:イワシペプチド(バリルチロシン)は血圧を下げる。
★タウリン:肝機能強化、細胞膜安定化、高血圧予防、神経物質、スタミナアップ。
★亜鉛:体の成長(細胞分裂やたんぱく質、DNA、酵素の合成、棟代謝)に必要。不足は成長障害、皮膚炎、脱毛、味覚障害。
海の滋養はやっぱりすごい、と思うのです。
カルシウムを食べるときには注意が必要。以下を覚えておくとよいでしょう。
お酢を使えば効果倍増!砂糖を使うと効果半減!
カルシウムの吸収と阻害に関する食べ合わせ
カルシウムを吸収するためには必要な栄養素があります。また吸収を阻害する栄養素もあります。同じカルシウムをとっても体に役立たなければ本末転倒。骨粗しょう症の方だけでなく、カルシウムの吸収させる食材や栄養素を覚えておくべきです。
カルシウムの吸収を促進する栄養素
★マグネシウム(カルシウムを骨に入り込ませる)
カキ、帆立、納豆、ヒジキ、玄米、ココアなど>煮干しにアリ!
★ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)
魚介類、干し椎茸、木くらげ、きのこ類など>煮干しにアリ!
★たん白質(カルシウムの吸収を助ける)
肉、魚、卵、豆製品、乳製品など>煮干しにアリ!
★有機酸、ビタミンC (カルシウムの吸収を高め、丈夫な骨を作る)
お酢、梅干し、果物類、野菜類>レモンとお酢を加えて戻した煮干しも!
★イソフラボン(骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ)
大豆、大豆製品>お酢や醤油で戻した煮干しを乗せて!
カルシウムの吸収阻害する栄養素
★シュウ酸(カルシウムと結合して吸収阻害)
ほうれん草などのえぐみ→下茹でして(過食がなければ問題ありません)
★リンやナトリウム(カルシウムより多いとそのバランスによって排出されてしまう)スナック菓子やリン酸の多いウインナーや練り物などの魚肉加工品、加工食品、インスタント食品、コーヒーやアルコールの取りすぎも注意。
【重要】カルシウムの吸収に砂糖の摂りすぎは注意!
和食だからよいと思われがちな、煮干しを甘辛く煮つける「佃煮」は、砂糖も醤油もたっぷり使うので別な料理をおすすめします。
骨粗鬆予防のレシピとして「煮干しの甘酢漬け」や「煮干しの佃煮」をみかけますが、砂糖は使わずにお酢につけてほかの野菜などと一緒に食べることがよいと思います。このときにお酢をちょっとおいしい果実酢を使うと臭みも抑えられます。佃煮ならば、砂糖ではなくみりんを使って。
カルシウム吸収に砂糖がNGの理由
砂糖が体内に入ると、糖の分解の過程でカルシウムとビタミンB1等を消費します。少量の砂糖の分解であれば血中にあるカルシウムだけで足りるのですが、多量に摂り続けると、不足分を骨や歯から供給することになり、ひどいときには骨はスカスカ、歯はボロボロということになります。生理学博士 久間英一郎
また、砂糖によって血液が酸性に傾くと、それを中和させるためにアルカリ、つまりカルシウムで調整するために、ダブルでカルシウムの消費が激しくなるのです。
煮干しをお酢に漬けてカルシウムの吸収率をアップ!
煮干しの骨を柔らかくするお酢を使うとカルシウムの消化吸収がグンとアップします。そのためには煮干しをお酢につけて(レモン果汁を加えると臭み消しに)。煮干しがやわらかくなり、食べやすく、おいしいですし、そのまま酢の物やサラダに混ぜたり、それをじゃこのように炒め物にしたり、刻んで納豆に混ぜたりするなど使い勝手もよくなります。
残ったお酢は旨味のあるお酢としても使えるのでおすすめです。酢生姜や酢玉ねぎにいりこを入れたらとてもおいしかったですよ。
煮干しなら丸ごと食べる「食べるいりこ」がおすすめ
「食べるいりこ」のよいところ
煮干しの代表的な使い方は出汁。ですが、頭や腸を取り除き、旨味成分の多い部分のみが使用され、しかも、摂取できるのは、そのなかの水溶性の部分だけなのです。せめて出し殻をふりかけなどにして食べることをおすすめします。
人間に必要なミネラル分をとるには魚を丸ごと食べることが一番簡単な方法です。それができるのが煮干しのなかでもこの丸ごと食べる「食べるいりこ」。だから、産前産後の大切な時期や、カルシウムをたくさん摂りたい育ち盛りの子ども、カルシウム不足が気になる女性や、骨粗しょう症予防におすすめできる食材です。
「食べるいりこ」の食べ方・アレンジレシピ
一袋90g。毎朝いりこ出汁を使い、一週間で使い切って、その味を楽しみ、楽しんだ分だけカルシウムをはじめとした滋養が体に入っていると感じてください。毎日少しずつ摂取すること(食習慣に取り入れる)が一番です。
そのまま食べる
そのまま食べる。乾煎りしてカラカラにして食べる。サクサクとしてとても食べやすくなります。アーモンドなどのナッツ類を合わせておやつやおつまみにも。その他、あらびきにしてふりかけを作るなど。
乾煎りする際は電子レンジで2分ほど、フライパンでじっくり焙煎したほうが甘味を強く感じました。この乾煎りしたものを出汁として使うと甘味と香ばしさが加わるのでおすすめ。お弁当用の味噌汁をスープジャーでお味噌汁を作るなら7~8尾がベスト(味噌汁の具材を入れて沸騰させたお湯を味噌といりこを入れたスープジャーにそそぐ)。
煮物や炊き込みご飯に
煮物やおひたし、炊き込みご飯を作るときに、ほかの具材と一緒に、そのまま入れるだけ。出汁が効いている上にやわらかく食べやすくなったいりこが入った料理は、滋味風味抜群です。
食べるいりこで出汁をひいても簡単・おいしい
「水1Lに対していりこを20gほど入れて一晩」で清澄で甘いお出汁が取れます。一緒に日本酒を少し入れておくと落ち着いたふくよかな味に。
さらに、いりこの旨味成分「イノシン酸」と相性がよいのは昆布の「グルタミン酸」。昆布を加えれば旨味の相乗効果で、いりこを減らしてもおいしく感じます。また、アクを取る必要もありません。
※水出しでとったいりこはザルにあげておき、味噌汁なら味噌を入れるタイミング、料理なら仕上げの時点で加えると上品な味わいに。そのまま煮込めば力強い味わいになります。
※水出しと煮出しの違い・・・水出しは甘みのあるやさしい味、煮出しは、旨味の力強い味。
粉だしにする
ミルなどを使って粉だしを作れば、出汁としても使えます(いりこだけでなく昆布や鰹節を加えても)。粉だしにする際は、乾煎りして水分を飛ばしてカラカラにしてから。小瓶に入れて冷蔵庫保管します。
この粉だしがあれば、一人分の味噌汁を作るのにも便利。お椀に粉だしを入れて熱湯を注ぎ、1分ほどしたら乾燥わかめなどと味噌を加えれば簡単に味噌汁のできあがり。
そのほか、ごまなどを加えてふりかけにしたり、炒め物や煮物に加えたり、麺類のつゆに追加で加えれば、栄養と旨味がアップします。これは重宝します。
※細かく粉砕することがポイントです。
食べるいりこを戻して使うと劇的にレシピが増えます
お酢で戻して
食べるいりこを小さなタッパーに入れてひたひたになるくらいにお酢を入れて一晩。とても柔らかく食べやすくなっています。これをそのまま酢の物に入れたり、胡麻と一緒にご飯に混ぜたり、骨を強くする納豆に混ぜたり、おにぎりにしたり、なんにでも使えます。
ヨーグルトと合わせれば食べやすく栄養的にもパワーアップ
昨年あたりから「乾物のヨーグルト戻し」を耳にするようになりました。いりこのヨーグルト戻し(ヨーグルト和え)を試してみました。
まず、このいりこを小さいタッパーに入れて、レモン汁と塩をふり、その上にたっぷりのヨーグルトを入れて24時間。おそるおそる食べてみてください。
いりこはやわらかく、食べやすくなり、ヨールグルトが加わることでカルシウム量もアップ。そのまま食べても、サラダにかけても。一度は試してみる価値はあります。
柚子果汁やレモン果汁、ワインビネガーで戻せば洋風にも
いりこを柚子果汁やレモン果汁などに浸しておくこと数時間。爽やかな柑橘の香りで煮干しの和風な香りがなくなり、いりこがやわらかく戻っています。
これをサラダなどに混ぜるだけ。簡単でとってもおいしいですよ。このサラダにいりこと相性のよいナッツを砕いて加えて。ワインビネガーでも煮干しの旨味に押され気味ですが、おいしくできます。戻すときにローリエを入れても。
お酢や醤油がおいしくなる!いりこ酢・いりこ醤油
我が家の定番調味料は、いりこ、昆布などを入れた醤油とお酢(麦茶用のボトルに入れっぱなしにしておき、小分けして使います)。
えーっと思われる方は、まず小瓶で作ってみてください。冷蔵庫保管して一週間くらいで完成。まろやかで風味や栄養価のアップした調味料になり、お料理もおいしくなります。(醤油やお酢は安価なものでもまろやかでおいしくなります)。
漬けておいた煮干しを食べてみて旨味が弱くなっていたら、お酢に漬けたものは酢の物に、醤油のものは炒飯などに。
同じくオリーブオイルで戻せば洋風にも
いりこをオリーブオイルとにんにく、唐辛子、胡椒と一緒につけておけば、アンチョビ変わりにパスタに合わせられます(クセが欲しいときは調理するときにナンプラーを1滴)。そのままサラダのドレッシングとしても。オリーブオイルは骨を強くする効果があるので相乗効果が期待できます。
煮干しのオイル漬けなら、煮干しだけでも使える食材となります。
煮干しをはじめ乾物の保存は冷凍庫がベスト!
いりこの開封後の保存には乾物(水分18%ほど)なので冷凍庫だと日持ちがぐんとよくなります。使うときに解凍する必要もありません。
とても長くなりましたが、カルシウム、煮干し、食べるいりこのメリットをお伝えでき、ひとつでもヒントがあったらうれしいです。
賢いおとなの選択「煮干し」「食べるいりこ」と上手に付き合う。でした。
品質がよく無添加の長崎県産の食べるいりこをご用意しております。
出汁を取るなら伊吹いりこがおすすめです。