「ツルムラサキ」(青臭い対策も)と「オカワカメ」は夏のアンチエイジング食材

ツルムラサキは非常に栄養価が高いアンチエイジング食材!

山形では夏野菜として定着している「ツルムラサキ」。その定着ぶりと他県ではあまり見かけないことから「おかひじき」のように在来野菜かと思っていたほど。

調べてみると東南アジア原産でツルムラサキ科のつる性一年草。紫の茎をしていたことから「ツルムラサキ」と呼ばれ、クセの弱い緑の品種が開発され1970年ころから普及しはじめたようです(山形では1989年ころから)。

生産量は福島県が4割以上。関東、関西、四国でも栽培されています。ここ数年、美容や健康によい野菜として全国に作付が広がっている注目の野菜です。

ツルムラサキの栄養 抗酸化成分やミネラルが豊富

その特徴は、オクラやモロヘイヤ同様に暑い夏に強い野菜で、あの照りつける紫外線にも負けず、それどころか生育旺盛になる夏野菜には、人間にも役立つ機能性成分が豊富です。

ツルムラサキやオクラやモロヘイヤを刻むとトロトロになります。このトロトロ成分は「ムチレージ」(水溶性食物繊維・粘液糖タンパク質)と呼ばれ、この成分のおかげで暑くても体内に水分を保つことができます。人間には夏で疲れた胃腸を保護してくれます。

そのほか、抗酸化成分として「β-カロテン」(抗酸化作用があり、髪、視力、粘膜、皮膚の健康を維持し、喉や肺などの呼吸器を守る働きがある)、ビタミンC、ビタミンEがあげられます。

その他、カルシウムやマグネシウムも豊富で、ビタミンK、鉄、葉酸などが含まれていて、インドではホウレンソウ(インディアン・スピナッチ)とも呼ばれて重宝されている野菜です。

ツルムラサキは土臭い?青臭い?その対策は?

ツルムラサキは独特の香りがあり、食べなれている人は、ゴーヤが苦いのと同じように、「この味があるからツルムラサキ」と気になりませんが、はじめて食べる人にとっては、「土臭い」とか「青臭い」と感じられることが欠点(マイナーな作物なゆえ、その成分はわかっていないようです)。もうひとつ品種により違いもあり、紫の茎のツルムラサキのほうが青臭さが強いことが多いです(こちらを好む人もいます)

わたしたちが夏にお届けしているツルムラサキは、化成肥料中心とした一般の生産方式ではなく、上質な有機肥料でじっくり育てるから味わいが違います。肥料を切らさぬように丁寧に肥培管理しているため露地栽培ながら「やわらかく」「苦味が弱く」「甘味のある」ツルムラサキになっています。

それでもその臭い成分は感じられるのも事実。
さてどうしたらよいでしょうか。

基本は茹でる(ツルムラサキの下処理)

ツルムラサキは、臭みを抑えるために下茹でするのが一番。
鍋に塩分1%ほどを加えて沸騰したお湯に、茎から先に入れて一呼吸おいてから全体を浸して、再沸騰したら鍋から取り出して、すぐに冷水で〆てから、ぎゅっと絞り、一口大に切り分けます(これでも青臭み減少は1/3ほど)。

※ひと手間かけるなら、茎と葉を切り分け、茎を先に茹で、葉はさっと湯通しする程度がベスト。青臭みが苦手な方は、さらに茎を刻んでから茹でると香り(水溶性成分も)が弱まります。

※下茹でしたものをタッパーに入れておくと少しずつ食べられます。

青臭さを抑え、且つ栄養をアップさせる

青臭さ対策その1 オイル&すりごま

つるむらさきの「おひたし」や「梅たたき」には、オイルとすりごまを混ぜ合わせると、一気に青臭みがなくなります。

味付けは一般の醤油&かつおぶしで。オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油などのオイルを加えると脂溶性成分のβカロチンなどの吸収率も高まります。

たたきは、素麺や冷奴にかけたり、きゅうりやナス、薬味などのみじん切りを加えて山形の郷土料理の「だし」にしても。

青臭さ対策その2 和辛子・辛子醤油

そんなに気にならない方は辛子醤油で充分です。

それでも気になる方は、「マヨネーズに練り辛子をやや多めに混ぜ合わせた」ものをおひたしやたたき(梅無し)に混ぜ合わせるだけ。ポイントは、和える前に醤油で軽く味付けしておくこと。市販のマヨネーズは摂取を減らしたい油が含まれるので、できれば手作りがおすすめです。

青臭さ対策として苦手な人を対象にドレッシングを試作して一番効果が高かったのは、、、
マヨネーズ(またはごま油)×味噌×にんにくすりおろし+かつお節

オイルのマスキング効果に、味噌の旨味、すりおろしにんにくの辛味、かつお節の風味の効果が一番でした。これも下茹でしたツルムラサキに醤油で下味をつけていることもポイントのひとつです。

青臭さ対策その3 混ぜる・煮る・炒める・揚げる

・炒め物やソテー
下茹でをしたツルムラサキを、にんにく、唐辛子を使った▼アーリオ・オーリオに。ほかにパスタの具材やほうれん草のようにベーコンとの炒め物に。

豚肉とツルムラサキの味噌炒め(キムチを入れたり)もかなりの効果。ほかにバター×醤油で和風ごま油×甜麺醤×オイスターソースで中華風に仕上げたり。

★天ぷら
ツルムラサキは半分にカットして。
高温で香りが飛ぶので、気になる方以外は、なにも感じないほど。天つゆがおすすめ。

・納豆
納豆に下茹でして刻んだツルムラサキを和えて「出汁醤油+辛子+油」で調味。量も少ないですし臭みはほとんど気になりません。

・スープ
モロヘイヤをイメージして。生姜をしっかり利かせて、中華やアジア系のスパイスや調味料を隠し味に。これもスープの深い風味で、ツルムラサキは逆に爽やかさに。

・味噌汁
酸味のある赤だしの味噌とかつおだしとの相性。下茹でしたツルムラサキを入れて。

・酢もの
茹でるととろみが出るので海藻類と食感も相性。生姜をたっぷり加えて爽やかに。めかぶやモズクなどに刻んだものを加えたり、マリネもOK。

・食材×ツルムラサキ

カツオ刺身などのソースにしても美味
カツオの臭みとツルムラサキの青臭さが見事に打ち消しあいます!カツオ刺身につるむらさきをのせて、醤油またはめんつゆなどをかけて。生姜やきゅうりなども一緒に。カツオ刺身もツルムラサキもさいの目切りにして、ご飯にかけた丼物にしても。

以上、その日の献立に合わせて健康野菜ツルムラサキ料理をお楽しみください。

ツルムラサキの仲間 長寿野菜「オカワカメ」

 正式名称は「アカザカズラ」で、中国より「雲南百薬」長寿の薬草として伝わりました。こちらもツル性の野菜でツルムラサキ科。異なることは茎を食べずに葉だけを食べる野菜です。

 生産者の岡崎さんは「健康を守る野菜を作りたい」と探していたところ「β-カロテンが豊富なことはもちろん、マグネシウム、カルシウム、そして亜鉛、銅、葉酸などミネラルの豊富さ」に注目し栽培をはじめました。

オカワカメの食べ方ヒント

 この野菜の特長はツルムラサキやモロヘイヤ同様のトロトロ系野菜であること。オカワカメは「雲南百薬」と呼ばれ長寿の薬草として中国から伝わっています。ツルムラサキより亜鉛などのミネラルが豊富です。ツルリとした食感とさわやかな香りがあります。ツルムラサキのような独特のクセはありません。

▼茹でるなら、小さなお鍋やフライパンで沸騰したお湯にサッと入れて10秒ほど。すぐに流水で〆ます。料理に合わせて刻んでから使います。
炒めるなら、手で一口大に切り分けてから。ベーコンときのこと一緒に。
しゃぶしゃぶもOK。そのまま一枚丸ごとで楽しめます。

アンチエイジング食材でもある無農薬のツルムラサキやオカワカメは、7月下旬から8月下旬に野菜セットでお届けしています。ほかにとろとろ野菜の有機のオクラ、無農薬のモロヘイヤもこの時期に。夏の暑さに対抗できる素晴らしい野菜です。


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