野菜たっぷり!具沢山味噌汁のすすめ(一日に必要な野菜の1/3をこの味噌汁で)

具沢山味噌汁のすすめ

はじめに

50代になると、肌の老化、身体の衰え、体重増加、うつ病、生活習慣病、そしてガンなどがぐっと身近なものになります。これらの要因に食事、とりわけ野菜不足が影響を及ぼすことが多いことも知られています。

しかし、毎日忙しい中で野菜を摂取することは簡単ではありません。そこで、時短なのに本格的で滋養豊富な「具沢山の味噌汁」生活をおすすめします。たった週2回に仕込んでおけば、毎朝簡単に味噌汁を作ることができます。

この「具沢山の味噌汁」には、海の滋養豊富な出汁や海藻、山の幸のきのこ、畑の幸である旬の野菜、発酵食品の味噌、大豆加工食品の豆腐などが含まれ、それぞれにビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化成分、抗糖化成分などの栄養素が豊富に含まれています。

そのうち、ファイトケミカルと呼ばれる機能性成分は5分以上煮込むと80%以上が細胞内から溶け出すので(活性酸素と野菜の力・前田浩著)、野菜を煮込みスープまで丸ごと飲む味噌汁は、若々しさを保つ究極の健康スープともいえます。

さらに、無添加の出汁や味噌を使用することで、自然なやさしい味わいを楽しむことができ、心身ともに癒してくれます。また、不足していた野菜の摂取量が大幅に増えることで腸内環境が整うことと、糖質のご飯やパン、脂質を食べる量がおのずと減ることで、ダイエットにもつながるのです。

健康維持は人生を大きく左右するもっとも大切なことです。具沢山の味噌汁を毎日続けることで、「なぜだか最近調子がいい」を実感し、仕事やプライベートで充実した日々を送ることができます。

野菜不足を解消し、具沢山の味噌汁からはじまる食習慣は、まさに生涯、幸せな人生を送るための食習慣といえるのではないでしょうか。

加えて、朝食にたんぱく質が不足すると筋力維持と体内時計のリセットに悪影響が出ることがわかっています。納豆、豆腐、雑穀ご飯のほか、お魚を一切れまたはお肉50gを補って。

 

超簡単!野菜たっぷり、具沢山の味噌汁の作り方

ポイントその1

仕込みは日曜日と水曜日の夜、週2回のみ。
ポイント2と3を仕込んでおきます。

ポイントその2

出汁は超簡単な水出しで。
滋養豊富な煮干しと昆布がおすすめ。

水900mlを麦茶ボトルなどに入れ、煮干し15g、昆布15g、日本酒100mlを加えます。

※「煮干し」は購入したら、腸を取り除いて袋に戻し、冷凍庫で保管してください。煮干しは中羽(7-8cm)がおすすめで、茶色く変色したものが少ないものを選んでください。
※「昆布」は購入したら5cm角(2.5g程度)に切り分けて袋に戻して冷暗所で保管してください。昆布は、真昆布の2等検や羅臼昆布の3等検で充分です。
※煮干しが苦手なら、「鰹節厚削り×昆布」または天然素材だけで作られた出汁パックで代用してみてください。
※顆粒だしはNGです。食材の風味を打ち消す強い旨味を持つからです。

ポイントその3
具材は、豆腐、きのこ、乾物、旬の野菜2種の基本5点セットで。

①豆腐:2個分けタイプや充填タイプがおすすめ。その他には油揚げ、厚揚げも。

②きのこ:しめじ、えのき、エリンギ、椎茸など、石突きを切り取ってほぐし、タッパーに入れておきます。ナメコは当日水洗いしてから。

③乾物:乾燥わかめ、ふのり、海苔、とろろ昆布、海藻サラダ、お麩、高野豆腐、桜えびなど。

④野菜2種:「旬の葉物」は、水洗いして適当なサイズに切り分け、大根などの根菜は薄切りまたは千切り、キャベツなどは一口大にしたり千切りにしてタッパーに入れておきます。

※人参、玉ねぎ、じゃがいも、かぼちゃ、里芋などの根菜類は電子レンジで1~2分ほど加熱しておいてください。
野菜の一日の摂取目標は350gです。具材の量は、昼と夜ごはんの摂取量を想定して、野菜ときのこ、海藻を合わせて1/3(120g)以上を目標にしてください。

一人分の分量例 野菜の摂取目標量の1/3

◎出汁:味噌汁のお椀一杯ほど(200ml)

◎きのこ:1/3株(ひとつかみ40~50g)

◎豆腐:1/4丁(50g)

◎野菜(2種):50g×2

◎乾燥わかめ:1g (戻すと12g)

100gの参考:葉物野菜1/2パック、大根3cm分、キャベツ1/4個、白菜3枚程度、玉ねぎ、じゃがいも1/2個、里芋2個、ブロッコリー1/3個、茄子、長ネギ1本
※具材は自由です。量と種類が豊富なことが目標となります。

※ほかのおかずに野菜のおひたしや乾物などの小鉢料理があれば、野菜を減らしても。

 
ポイントその4

1人分でも簡単!野菜たっぷり具沢山の味噌汁の作り方

 

①朝起きたら、冷蔵庫にある出汁をお椀一杯を入れて鍋に注ぎ入れます。

②冷蔵庫から各具材を取り出し、きのこは一つかみほど、豆腐1/4丁は手の平で切り分けて鍋に入れます。

③つぎに野菜を加えて、その上に乾燥わかめなど火の通りやすい具材をのせて「弱火」で着火します。

③朝の準備をしつつ、15分ほどで火を止めて味噌を大さじ1杯を溶かし入れてできあがり。

※味噌汁椀だと入りきらない場合があります。量は減らさずにマグカップなどを利用してください。
※根菜類を使う場合はレンチンで下処理するか、加熱時間を長くして。

続けるために、その先をみつめ続けて

 具沢山味噌汁を毎朝作ることは今まで経験がなかったことですから、最初は面倒だったり、具材の量や煮え具合に違和感を感じるかもしれません。でも、毎朝のルーティンに落とし込んでしまえば、味噌汁作りはとても簡単に感じるはずです。

 具沢山の味噌汁はカロリーが低く、不足しがちで体調を整えたり、若さを保つのに役立つ、食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化成分、抗糖化成分なども豊富に含まれているため、美容や健康に役立ちます。

 慣れてくると、その日の体調に合わせた食材選びをしたり、残り野菜やおかずを活用したり、目的や体調に合わせた調理方法ができるようになります。その結果、体調はよくなり「毎朝すっきり元気!」の好循環を生み出してくれるのです。

野菜たっぷり!具沢山味噌汁のQ&Aコーナー

Q: 味噌はどんなものがおすすめですか?

A: 無添加で作られた地元の味噌メーカーからお気に入りを探してみてください。味に深みを加えるために、お気に入りの色とは異なる味噌を(こげ茶に対して淡い茶色など)を選んでください。これを合わせ味噌にします。

さらに、麦みそや豆味噌を原材料の異なる味噌をストックしておくと、具材に合わせて味噌を選んだり、味のマンネリを防ぐことができます。また、旅先で出会った味噌を購入することも楽しみの一つになります。

Q: 味噌汁に入れる野菜は何がおすすめですか?

A: 今回の基本である豆腐、きのこ、海藻、野菜2種が基本です。

野菜2種は、小松菜などの「旬の葉物野菜」を基本に、もう一つは、旬の時期の長ねぎ、ニラ、キャベツ、白菜、レタス、ブロッコリー、玉ねぎ、大根、小かぶ、レンコン、ごぼう、じゃがいも、かぼちゃ、にんじん、さつまいも、里芋、山芋などを組み合わせてください。

Q: たんぱく質を味噌汁に加えたいときのおすすめの食材は何ですか?

A: 生卵、前日に余った肉や魚、肉団子、豚汁をイメージして豚小間切れを使ったり、鶏肉、ささみ、しらす、鮭、鱈、牡蠣、ベーコン、ウィンナー、厚揚げ、おでんの具材など(朝食にたんぱく質の欠食はNGということがわかっています。

納豆または玉子を食べる場合は肉なら50g、お魚なら紅鮭切身半分程度で補って)。具材によっては味噌ではなく醤油ベースで仕立てても。また、温泉卵、チーズ、納豆も仕上げに入れることができます。加工品を使う場合は、旨味調味料の影響が少ない無添加のものをおすすめします。

Q: 風邪気味のときや食欲不振のときにおすすめの味噌汁の作り方は?

A: 生姜汁やお酢を数滴加えることで、食欲を増進させるスッキリとした味わいになり、生姜は体を温めてくれます。また、味噌汁にご飯を加えてミキサーにかけたり食べるスープにしてみたり、うどんやそうめんを加えて煮込み、栄養の消化吸収しやすい状態にして食べることもおすすめします。

二人用の小鍋を使うと作りやすいです。乾麺を味噌汁と一緒に茹でるのであれば、茹で時間の短いものを半分に折ると煮込みやすいです。

Q: 味に飽きてしまいましたがどうしたらよいですか?

A1: 麦みそや豆みそを使うだけで新鮮な味わいになります。また長期熟成したものや旅行で出会った味噌を購入しておくと、いつも違う一期一会の味わいが楽しめます。

A2: 洋風や中華風のスープにする。それぞれ出汁を使わずに、洋風にする場合は、コンソメベースに、具材を加えて、仕上げにオリーブオイルと胡椒を。中華風にする場合は、中華系のチキンスープをベースに、具材を加えて、仕上げにごま油を。

A3: 水出しの代わりにトマトジュースやトマト缶を使い、5つの基本食材を弱火で煮る方法でトマトスープができます。ミネストローネをイメージして、一度加熱した玉ねぎ、にんじん、じゃがいもなどを加えても。

A4:豆乳や牛乳でも、水出しと同じ手順で作ることができます。まろやかな味わいの味噌汁になり、それぞれの栄養が加わります。賞味期限に近くなった牛乳や豆乳の消費にもつながります。

A5:味噌を使わずに、キムチやキムチの素など刺激的な味わいを加えて。

Q: 味噌汁に残りもののおかずなどを入れることができますか?

A: 前日に余った切り干し大根の煮物やひじきの煮物、サラダなども入れることができます。塩分のあるものを入れるときは、味噌の量で味を調整します。

Q: 忙しく洗い物も増やしたくないので、丼物のように一杯で完結させたいのですが。

A: たんぱく質を加えた味噌汁を作り、主食も合わせたい場合は、味噌汁にご飯を加えて一煮立ちさせて雑炊風にしたり、うどんを入れて味噌煮込み風したり、お餅を入れたり、素麺を入れて。一人前でも二人用の小鍋を使うと作りやすくなります。ただし、朝の脳に刺激を与える噛むことと唾液の量が減りますので、噛むことを意識して歯ごたえを残した火加減にしたり、生で食べれる野菜を加えるなどの工夫をしてください。

さいごに

 味噌を加える前のスープを味見してみると、海の幸である出汁や海藻、山の幸のきのこ、旬の野菜の滋味風味が重なりあったやさしい味わいに驚くはずです。

 さらに、味噌を加えて、やさしくかき混ぜると、出汁と味噌の芳醇な香り、そして力強くもやわらかな旬の野菜の香りが湯気とともに静かに立ち昇ってきます。これが無添加をすすめる理由のひとつでもあります。

 忙しい日々の中で、朝のひと時にこのような香りや味わいを楽しみ、そして味噌汁をひと口飲むたびに身体の奥底から温かくなり、おだかやか気持ちになり、心に余裕を生み出し、情緒を安定させてくれます。手作りで無添加の具沢山の味噌汁には、こんな自然からのご褒美もあるのです。

人生を豊かにする「食習慣の改善」におすすめな、野菜たっぷり具沢山味噌汁生活を是非楽しんでください。 

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