山形のお雑煮~えっ、根菜、ぜんまい、こんにゃく、牛肉?~

山形の雑煮

山形のお雑煮ってどんなのもの?

え?、ぜんまい、こんにゃく、牛肉が入るの

やまがたの内陸部、村山地方(山形市・天童市・東根市・寒河江市・村山市)のお雑煮のはなし

 ここ山形に移り住み、早18年。四季がはっきりとして旬は目白押し。そのスピードに追いついていけずに圧倒されながらも、数年後には旬を待ち構えることもできるようになりました。山形の冬の食文化のひとつとして、お正月明けの七草がゆの日に、芋がらを入れた「納豆汁」を食べる風習があることは土の声などで書いてきました。

 「今年のお正月はどうしようかなあ」と考えはじめて、ふと気づいたことがります。我が家のお正月に山形色がないこと。山形のお正月には「ひょっとしていいことがある」という「ひょう干しの煮物」、庄内では北前船時代に京都の食文化の影響で「丸餅」であることや、その流れで内陸部でも「棒鱈煮」や「からかい煮」が食されていたことは知っていながらも、肝心の「お雑煮」については、話題になることはなく、どんなものか疑問すら持たず18年スルーしていたのです。

 そこで、スタッフに聞いてみると、驚きの答えが、、、。まずは「根菜」が豊富。そして山菜の「ぜんまい」が入る。え、「こんにゃく」も入るの?人によっては「牛肉」も、、、。うらやましいくらい山形色豊かでおいしそうなのです(でも、納豆汁では欠かせない芋がらは入れないのね)。

山形県民(内陸部・村山地方)に聞いた山形のお雑煮

◎山形内陸部出身
 ①醤油味(鰹)、角餅、鶏もも肉or牛肉
 里芋、ごぼう、人参、ぜんまい、油揚げ、糸こんにゃく、みつば

 ②醤油味(鰹)、角餅、鶏もも肉or牛肉、
  ごぼう、人参、ぜんまい、たけのこ、椎茸、長ネギorみつば

 ③醤油味(鰹)、角餅、 親鶏、ごぼう、ねぎ、セリ

 ④醤油味(鰹)、角餅、鶏もも肉、大根、里芋、人参、セリ

◎青森出身
 醤油味(鰹)、角餅、鶏もも肉(細切れ)、ごぼう、板こんにゃく(細切り)豆腐

◎新潟出身
 醤油味(鰹)、角餅、鶏もも肉、大根、人参、ごぼう、里芋、椎茸、焼き豆腐、板こんにゃく、長ネギまたはセリ、仕上げにイクラをのせて

◎過去に福島在住
 醤油味(鰹)角餅、鶏もも肉、ごぼう、大根、人参、ぜんまい 細かく刻んで セリ

 毎年、関東風の雑煮(小松菜、鶏肉、角餅)だった我が家には、まさにカルチャーショック。山形県民ながら私だけが知らなかったの?状態

 お正月には、おせちの一品や二品少なくても大丈夫そうな、この具沢山の山形風雑煮にチャレンジするしかありません。

 みなさんも、昔食べた実家のお雑煮や他の地域のお雑煮など、いつもと違う味も楽しんでみてはいかがでしょうか。

山形のお雑煮のレシピ

上記の聞き書きから、いいとこ取りをして考案したレシピ(4人前)
出汁に、鶏もも肉200g 、大根200g 、ぜんまい100g、ごぼう50g、人参50g、糸こんにゃく50g、飾りにセリと柚子。

実際に用意してみた具材はこちら

この記事を書いたのは年末。上記の分量で実際に作ってみて、来年用に再考案したレシピができました。

材料(4人分)

・だし汁800ml 
 酒大さじ1 みりん大さじ1 塩小さじ1/2 薄口しょうゆ大さじ1~

・鶏もも肉 200g(牛肉、親どりでも)

・餅(角餅を焼いて、またはつきたての餅) 

・根菜千切り(ごぼう50g、人参50g、大根200g)

・干しぜんまい(戻し5cm)100g 

・板こんにゃく(一口大)50g 

・堀込セリ、ゆず 適量

※ぜんまいは国産の干しぜんまいを使うと味わいに差が出ます(今回は干しぜんまいを入手)。代用は水煮ぜんまい、わらびなど。

※こんにゃくは糸こんにゃくにしてみましたが、板こんと糸こんの比率はほぼ同数。ほかの具材と別枠にするために、板こんを使い、短冊や細切りではなく一口大に。

※お好みで、里芋、きのこ(椎茸、干し椎茸)、おせちで使う(余った)野菜、なると、かまぼこなど。

以上です。なにしろ、10人以上に聞いて同じものが一つもなかった雑煮のレシピ。ポイントはぜんまいと根菜だと思います。まずは、上記レシピでお試しください。

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