稲作だより
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寒気から大地を守ってくれる雪 土の声 2018.01 No.143
▼ここは雪国山形。年末から年始にかけて雪が降り積もり、田圃だけでなく街中が真っ白に。晴れた日のキンと冷えた空気と、遠くにそびえる月山や葉山が、この白い田圃の美しさをさらに際立たせます。▼雪が白く見えるのは、太陽の可視光線…
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粥有十利 土の声 2018.02 No.144
▼今年は日本列島が寒波に包まれて寒い冬となっています。例年以上の寒さもあってか、インフルエンザが大流行しています。▼風邪をひいたときに食べるものの代表といえば「お粥」。昔からお粥には十徳があると云われています。その昔をた…
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ごはん一杯にお米は何粒? 土の声 2018.03 No.145
▼3月は米作りが本格的にはじまります。まずはいい苗を作るために種籾の選別から。水に塩を入れて比重を調整すると、軽い種籾は水に浮き、重たい種籾は水に沈みます。これを利用した種籾選別方法が「塩水選」です。▼今回は、その種籾一…
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殺菌は耐性のできない温水で 土の声 208.04 No.146
▼米作りの第一段階「塩水選」で種籾の選別をすると種籾の殺菌に移ります。種籾に「イネばか苗病」「いもち病」「苗立枯病」などの病原菌がついているからです。その殺菌方法として私たちは農薬を使用せず「温湯消毒」を採用しています。…
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高齢者1人でもコメ作りができるが 土の声 2018.05 No.147
▼春の大型連休ゴールデンウイーク。米作りの現場では「田起こし」を終えて水を待っているところ。米を作る農家の多くは、高齢者やサラリーマン農家が多いのだから、人手のある大型連休中に田植えをするのが都合がよいのでは?と思ったこ…
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アメンボの匂い 土の声 2018.06 No.148
▼田植えを終えたばかりの田圃で一番に目にする生き物はカエルとアメンボ。畔を歩くと、孵化したばかりのイナゴが誤って水面へ落ちる。するとアメンボがサッとイナゴに近づき、サッと離れ、時間をおいてから戻ってきて捕まえる。毒でも注…
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ホウネンエビ 土の声 2018.07 No.149
▼先月号では、「アメンボ」の甘い飴のような匂いを確認できずにタイムリミット。その後、熊谷さんの田圃に立ち寄り、アメンボの匂いを確認しようと田圃のなかを覗くと、メダカくらいの”なにか”が数匹泳いでいる。メダカは群れていて、…
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今年はどうなるか 土の声 2018.09 No.151
▼稲穂が垂れてきた。山形県北部の最上地域では、8月上旬、中旬、下旬と三度目の豪雨。ひどいところでは冠水被害、そうでなくとも稲が倒伏した田圃も多い。そして台風21号がやってくる。被害が軽微であることを願うしかない。▼温暖化…
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ど根性米 土の声 2018.10 No.152
▼9月に入ると、8月のあの暑さを忘れてしまうほど、涼しくなった。これも異常のはず。必ず暑さが戻ってくると身構えていたものの、結局は涼しい日が続いた。▼9月に入ると、8月のあの暑さを忘れてしまうほど、涼しくなった。これも異…
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不作 土の声 2018.11 No.153
▼10月1日に農林水産省より米の収穫量を予想した「作況指数」が発表された。著しく低かったのが北海道の90。山形は99、秋田で98、宮城は103。この頃は、まだ収穫がはじまったばかりで、願いを込めてこの数字を信じるようにし…
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何はなくとも香の物 土の声 2018.12 No.154
▼日本人のコメ消費量は54キロ。昭和36年の118 キロをピークに比べて半分以下。それでもご飯は主食であることは変わらない。▼昔から「何はなくとも香の物」と云われてきたが、これも変わらないような気がする。食卓に白菜漬けな…
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納豆汁 土の声 2019.01 No.155
▼せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、、、。ここは雪国山形。七草はみな雪の下。そんなことから一月七日の「七草粥」の代わりには「納豆汁」を食べる風習があります。▼「さむくなっとすんだぁ、昔はなん…
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健康的なイメージの食から健康な食へ 土の声 2019.02 No.156
▼ご飯を中心に据えた朝食には香の物と味噌汁は欠かせない。漬物の旨味と塩味でご飯が進み、それを流し込むのに汁物は好都合。しかも、その質を高めるほど、素晴らしく豊かな食事となる。▼鮭の塩焼きが加わり、青菜のおひたしもうれしい…
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平成の食卓こんなに変わった 土の声 2019.03 No.157
▼先月25日の日本農業新聞に「平成の食卓 こんなに変わった」という記事がありました。平成元年と平成30年の食品の年間支出額(一世帯二人以上)を比較し、購入額が増えたもの、減ったものがランキング形式で発表されています。▼増…
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新時代の小麦の問題 土の声 2019.04 No.158
▼玄米は残留農薬の心配があるので、無農薬のものを選んだほうがよいと云われてきた。輸入小麦においては全粒でなくとも「すべて」に注意が必要な時代となりました。▼今年に入り消費者レポート等の記事をご紹介しましたが、3月10日に…
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この仕組みを次世代に残していいものだろうか。 土の声 2019.05 No.159
▼平成の米作りをデータで振り返ってみようと調べてみた。農水省の統計で平成7年と28年で比較ができた。水田一反歩あたりの労働時間は、38時間から、23時間に(昭和40年は140時間)、収量は、509㎏から544㎏とある。2…
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次世代への贈り物 土の声 2019.06 No.160
▼「除草は、田植後十四~二〇日に蟹爪で行ない、四~五日で打ちなおり、その後十五日、それから十七~十八日後と三回行うべし」(稲作耕種基準・明治三十三年)とある。その除草作業の様子は「土用にかかれば炎天にて上より火を以て焙る…
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いつまでも自然が許容するのだろうか 土の声 2019.07 No.161
▼今年も熊谷さんの田圃に「ホウネンエビ」が泳いでいた。姿は見えなくとも泥を巻き上げながら素早く移動し土中に潜ったのはドジョウだ。畔にいたカエルやイナゴやバッタの幼齢虫、クモが水田に逃げ込む。足のはえたオタマジャクシやガム…
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干ばつの翌年は日照不足の年 土の声 2019.08 No.162
▼昨年は西日本豪雨など水の被害が多いなか、山形は干ばつに悩まされました。今年は、沖縄、九州など西日本で記録的な大雨や台風直撃、関東甲信は記録的な日照不足、東北の太平洋側は日照不足に加えて低温が続きました。▼心配だった宮城…
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毎年の自然災害では農業は立ち行かない 土の声 2019.09 No.163
▼いまだ冠水中で工場より流失した黒い油が浮いている佐賀県杵島郡大町町。ほとんどが田圃や畑。JAさがの情報では、水稲だけで5千ha超が冠水したという。お米に換算すると3万トン。55万人の一年分が賄える量になる。収穫前の米が…
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台風19号 土の声 2019.10 No.164
▼「ここは畑や田圃が冠水しただけで済んだ。水がかぶった野菜はどうなるかわからないけどね」と野菜を供給してくれている宮城県登米市の菅原さん。「大郷町の知り合いは、冠水で倉庫のコンバインや米までみんなダメになったらしい、保険…
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やはり口飽きしない米が主役 土の声 2019.12 No.166
▼11月11日、山形で開催された全国ブランド米産地生産者交流大会に足を運んだ。目的は、ブランド米の試食会。銘柄は、山形が誇るブランド米「つや姫」が中心。というのは、つや姫の生産は全国展開しているため。山形、宮城、岐阜県、…
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異常気象のなかで進化する 土の声 2020.01 No.167
▼元号「令和」になり、はじめての新年。少しの雪は降りながらも山形では珍しい「雪のない正月」だった。自然災害の多発はもとより、生活のなかで「ちょっとおかしいな」と微妙な違いを感じることも多くなった。過去の経験値が通用せず、…
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毎日食べても口飽きしない食卓の主役に 土の声 2020.02 No.168
▼昨年の米作りは、基本を学びなおし、悪天候でもしっかり稔らせることを目標にスタートしました。そのなかでミネラルを多く含むケイ酸肥料を強化ところ、猛暑にも強くなる手ごたえを感じました。そのことはデータでも裏付けられており、…
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▼日本穀物検定協会が毎年行っている「コメの食味ランキング」が発表された。19年は全国155銘柄のうち、特Aに選ばれたのは54銘柄だった。▼この食味ランキングは個人が表彰されるコンテストではなく「産地」と「銘柄」に対して評…
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コロナ禍 ごはんの栄養価を上げて 土の声 2020.04 No.170
現時点では新型コロナウイルス感染者の出ていない山形。暖冬でスキー客は激減していたり、人口密度が低く、車社会であることもその理由で三密は重要です。とはいえ、昔のように乾物や塩蔵品などの越冬食材で冬ごもりをしているわけでも…
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供給を絶対に止めない 土の声 2020.05 No.171
▼先月、山形の新型コロナ感染者はゼロとご紹介しました。その一カ月後は66名。感染経路は、県外から免許取得の合宿者、東京からの一時帰省者と飲食を共にした友人3人とその家族や勤務先の同僚(宅配業者、スーパー、食品製造工場)合…
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小さな生き物の活動により田圃は肥沃になる 土の声 2020.06 No.172
山形の新型コロナ感染者は5月4日を最後に約1カ月ほどゼロとなっています。ゴールデンウイークの里帰りはほとんど見られず、人の移動制限と休業要請などの結果が今に現れています。 心配していた宅配などの流通、全国の生産者たちの…
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鴨と一緒にうまい米づくり 土の声 2020.07 No.17
▼6月5日、快晴。山形県酒田の堀さんの田圃に鴨が放たれました。田圃は一枚ずつぐるりと防鳥ネットで囲み、鴨の寝床を作り、カラス除けのテグスを細かく張り巡らせます。そこに入るのは、生まれてから2週間ほどの鴨。田圃に放すとすぐ…
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鍋で炊飯できますか?土の声 2022.01 No.191
▼雪のないお正月を伝えることが多くなってきたここ数年。今年は年末から大寒波が幾度もやってきて、それが居座り「超低温」のなか雪が降り続く日々。その量は平年の三倍にもなる。西日本、関東でも大雪となり、路面凍結によるスリップ事…