健康的なイメージの食から健康な食へ 土の声 2019.02 No.156
▼ご飯を中心に据えた朝食には香の物と味噌汁は欠かせない。漬物の旨味と塩味でご飯が進み、それを流し込むのに汁物は好都合。しかも、その質を高めるほど、素晴らしく豊かな食事となる。
▼鮭の塩焼きが加わり、青菜のおひたしもうれしい。納豆も食べておきたいし、昆布の佃煮やちりめん山椒も少しいただきたい。こうして食卓に並べられ、おいしくご飯を食べていると気になる問題が出てくる。
▼それは塩分。理想的だと思えるこの朝食に塩分はどれくらい含まれているのだろうか。調べてみると、なんと5.4gである。味噌汁は1.1g、納豆は0.6g、甘塩の塩鮭は一切れ(80g)で1.4g、たくあん漬けなら二切れで0.6g、おひたしは1g、昆布佃煮10gで0.7gと続く(日本食品標準表)。
▼1日の食塩摂取目標量は男性8g未満、女性7g未満だから、この朝食だけで1日の7割近くを摂取してしまう(洋食も同様でパンにバター、スクランブルエッグ、ベーコン、サラダ、スープと食べれば同様な数字になる)。冬は汗や尿が少ないのだからさらに気を付けたい。
▼では、食べる量を少なくすればよいのか?すると、たんぱく質やミネラル不足が心配になる。減塩食に習い、酸味と旨味を取り入れ(酢は血圧も血糖値も下げる)、塩分を半分ほどカットし、薬味や香辛料を加え、ナトリウムを排出するカリウム豊富な野菜を多くする。すると健康的なイメージの食から健康な食に変わる。