「50年以上はなるべな、あの樹は。おやじが植えたのをそのままにしているから。」と奥山氏。「でもこのりんごはうまいんだ。甘いだけじゃなくて酸味もあって味が濃いんだ。国光とも違うしな、むかしのふじは色づきが悪かったというから、ふじの原種じゃないかと思うんだ」。隣に居合わせた阿部氏も「あー、それ、うちにも1本あるな、確かに“んまい”。むかしのふじは甘酸っぱくてあまいんだ。色づきもあまいけんどな」とニンマリ。
長年付き合ってきたのにそのことを知らなかったというショックを期待にかえて、ようやくその味を口にするときがやってきた。聞いていた通りに、隣のふじと比べると色は薄く感じるも、樹からもぎ取り、そのまま「がぶり」とすると・・・パリッとした食感とともに、甘い果汁が口いっぱいに広がる。りんごについた歯形のなかは琥珀色に輝く蜜。昔、銭湯で飲んだ「瓶入りのりんごジュース」のように甘い。それを引き立てているのはやはり酸味。キリリと甘いメリハリの効いた素晴らしい味だったのです。
「ちかごろのふじは見た目がよいが、味が落ちたようだな」
「はじめて食べたときは本当においしくてびっくりしたもんだよ」
「昔食べていたふじりんごのほうがおいしかったな」
という方・・・それはきっと事実かもしれません。
どうぞ、この「むかしふじりんご」でお確かめください。籾殻入りなのでその触感、りんごの味とともに、思い出話にも花を咲かせてください。
「むかしふじりんご」として籾殻を入れて11月中旬にお届け。
ふじりんごは、1962年(昭和37年)に品種登録された国光とデリシャスを交配してつくられたりんご。その後各地に普及している。だからデビューして55年以上。その後に色づきのよいふじが選抜されてからは姿を消し、今では希少なものとなっています。
むかしりんごシリーズは、ふじりんごがデビューする前に主流だった「紅玉」や「国光」や、「デリシャス系」などのりんご、その後デビューしながらも今では希少な「津軽」りんごや「ジョナゴールド」など取扱できる品種を通販しています。昔食べた味(昭和初期、戦後、昭和30年代、40年代、50年代の高度経済成長期)が忘れらない方に喜んでいただけるように企画しています。むかしのように木箱ではありませんが、「むかしふじりんご」は、籾殻入りでお届けしています。