濃厚な味わいを持つ高級食材「天然岩牡蠣」とは
牡蠣というと冬のイメージが強いのですが、これは真牡蠣の旬。これに対し岩ガキは産卵期を迎える夏が旬なのです。山形の庄内は「天然岩牡蠣」の特産地です。旬になると海沿いの道には岩牡蠣の昇りがはためき、夏の風物詩にもなっています。大きくてぷくッとした身と濃厚な味わいから、全国に知られる産地となりました。
●なぜ夏が旬なのか・・・岩牡蠣は夏に旬を迎えますが、とくに庄内産は全国的に有名です。それは、岩牡蠣が生息する海域には、出羽富士とも呼ばれる「鳥海山」よりミネラルを多く含み、そして冷たい「伏流水」が海中に湧き出ているので、この辺り一帯の海水の温度が低くなります。そのため、ここで育つ岩牡蠣は通常より産卵期が遅くなり、旬が夏、一番美味しい時期は7月中下旬になるのです。
●なぜ大きいのか・・・岩牡蠣は、8月過ぎの産卵に備えてプランクトンを食べ続け、海水が低いこともあり、栄養を貯えながらじっくりと大きく大きく成長します。このぷっくりと育った牡蠣がまた格別の食感を生み出し、食通たちの舌を楽しませています。
●その味は・・・塩でもみ洗いした牡蠣にレモン汁をきゅっとかけて、重量感たっぷりの牡蠣を口に入れると、あのつるりとした舌触りに、噛み締めれば、牡蠣の濃厚な味わいとともに磯の香りが広がります。(まるで口の中に日本海がそのまま広がったようです)。生は苦手という方でも網焼きでもフライでも、驚くほどおいしい牡蠣料理になります。
※漁場により分けると、秋田よりの伏流水のある吹浦(水温低い・プランクトン多い)、その南、最上川などの河川が流れ込む酒田(塩気が弱い)、新潟よりの温海・鼠ヶ関(塩気が強い)、その中間の加茂・由良・豊浦周辺となります。その漁場の違いによる味の違いも楽しめるわけです。
●栄養面では・・・産卵期を前に栄養価も絶頂を迎えています。夏のスタミナ源になる「グリコーゲン」や「タウリン」、体が喜ぶ「亜鉛」、「鉄」などのミネラルがたっぷり含んでいます。食べたらますます元気になる牡蠣です。
7月、この時期だけの旬、この時期だけにしか食べられない、庄内の天然岩かきをどうぞご堪能下さい。