全国有機農法連絡会の理念


生産者連合会の総会で挨拶する全国有機農法連絡会 代表 米山 正


 農業への決意が定まった思いを忘れないようにしている。生まれてきてよかった。生んでくれて良かった。と感謝の言葉が出るような人生を食べ物をつくる仕事で送れたらと思ったからだ。

 私は40代のはじめに体を壊し再起をかけて始めたのが農業で、堆肥を運び見よう見まねで野菜を作り、野菜らしく育った姿を見てホッとしていると、自分の野菜は小ぶりで弱々しいのに気付き、何故だろうと原因を考えると、私が入手した農地は食糧難時代に山を切り崩し、開田した赤土のやせ地だった。

 たくさん入れたつもりの堆肥も野菜が求める必要量に満たなかったのです。野菜は生長に見合う養分がないと大きく成長することはない。それ以来、毎年たっぷりの堆肥を入れ、土作りを心がけて来た。今はいろいろな野菜が育つ畑になった。必要な養分量を施さないと野菜も健やかに育たない。それが新米農家への野菜からのシグナルでした。

 農業に入るきっかけをつくった医師は「食べ物が健康を育む」と、私の回復を願って食事の重要性をアドバイスしてくれた。人も野菜も健康に生きるための栄養の摂り方は全く同じで、豊かな栄養素を持つ土壌で育った野菜は、肌つやがぴかぴかして、いかにも元気良く育っている。私は特に露地栽培を心がけ、自然の厳しさを受けながら育った野菜は、ミネラルやビタミンが多く、ポリフェノール等も多く含んでいると学者の言葉を信じ露地栽培を続けている。おかげで自分の壊れた体もいつの間にか治っていた。

 路地野菜は、播種や発芽と同時に自然からのきびしい攻撃を受ける。風雨や寒暑、強い紫外線に活性酸素、病原菌の侵入や害虫との戦い、それらすべてを自力で克服し修復する力を持ち備えていなければ生長できない。その生命力や免疫力を持った路地野菜を、そっくり私たちはいただき血肉にして健康の源にしている。これこそが「汝とは、汝の食べた物そのものである」という西洋の諺と「食べ物が健康を育む」と言う医師の言葉とが一致する。

 私たち全有連では、より高い栄養を含んだ作物を作りたい。その願いが膨らみ花崗岩から抽出したミネラルを数年前から使用している。必須栄養素であるミネラルは、どの野菜も稲も果物もよろこんで吸収する。ミネラルは作物の活力を高め健康に育てるだけでなく硝酸を分解する力も大きい。有機農業者にとって低硝酸の野菜を作れたことは誇れるうれしさである。私も野菜を見習い、いつの日からかミネラルを飲んでいる。

 一病息災を経験した者にとって、病気ほど辛く悲しいことはない。
初心を忘れず「食べ物が健康を育む」路地野菜をズーとつくり続けるともりでいる。
農場内には、会員の人たちと一緒につくった宿泊施設『静心荘』もあり、農業体験や自然観察、読書、音楽も楽しめる空間を持つ農場なので、多くの人が癒しに来てくれると嬉しい。

全国有機農法連絡会
代表 米山 正


無農薬、無化学肥料を続けている直営の山形山農場の畑に粉炭を撒く

ミネラル・木酢液・キトサンを散布する

ひとりでは持てないほど見事に成長した白菜
(右/代表 米山 左/会員 倉茂さん)

安心・提携方針はこちらへ